先に結論(3つ)
- 権限は「①管理者ロール」「②アプリごとの共有権限」「③利用ルール」の3層で分けて考えると迷いません。
- ①の特権管理者は2名まで(担当+予備)。他の方は必要な範囲だけの限定ロールか、一般ユーザーで十分です。
- ②は「部署の棚=共有ドライブ」「共有カレンダー=法人アカウント所有」にすると、人が替わっても資料と予定が院内に残ります。
1. これまで・いま・これから
これまで(2026年夏まで)
個人アカウントと共有アカウントで運用
- ChatGPTは1つのアカウントを複数人で共有
- GeminiやGoogleカレンダーは各自の個人Googleアカウント
- 「産業医スケジュール」などの業務カレンダーも個人アカウントの所有
→ 誰が何を持っているかが院内から見えず、担当者が替わると引き継ぎが難しい状態。
いま(2026年9月)現在地
Google Workspace 契約・ドメイン移管が完了
- 先行して6アカウントを発行(管理者1名、事務長1名、産業保健課4名)
- 今週中に他のメンバーのアカウントを追加予定
- 全職員への展開前に、利用ルールと基本の使い方を整備したい
これから
全職員へ展開 → 9月30日 Day2研修で実際に操作
- まず最小限のルールを決めて運用を始める
- 先行6名の疑問を「よくある質問」として足していく
- 必要が見えた段階で、外部支援の範囲を検討
2. 権限は3層で考える
① 管理者ロール
管理コンソールで設定。
アカウントの発行・停止、セキュリティ、アプリの有効/無効など「土台」を扱う。
+
② 共有権限
DriveやカレンダーなどアプリごとにON/OFF。
「このフォルダは誰が編集できるか」「この予定表は誰が見られるか」。
+
③ 利用ルール
人が守る約束。
保存先、入れてよい情報、困ったときの相談先。
①は「鍵の管理」、②は「部屋ごとの入室許可」、③は「院内の掲示ルール」に相当します。①だけ厳しくしても②③がゆるいと情報は漏れ、逆に①を全員に渡すと事故のときに止められなくなります。
3. ①管理者ロールの仮の割り当て
Google Workspaceに最初から用意されているロールを使います。特別な作り込みは不要です。
できること:すべて(請求、ユーザーの追加・削除、パスワードの再設定、セキュリティ設定、Drive・カレンダー・Geminiなど全アプリの設定)
仮の担当:システム管理担当(現在の管理者)1名 + 予備として事務長1名
※ 必ず2名以上にしておく(1名だと、その方が不在のときに誰も復旧できない)。2段階認証は必須。日常のメール作業は別の一般アカウントで行うのが理想ですが、当面は同じアカウントでも構いません。
できること:管理者以外のユーザーのパスワード再設定、ユーザー情報の閲覧
仮の担当:産業保健課で窓口になる方 1名
※「ログインできない」の一次対応をここで受けると、特権管理者への問い合わせが集中しません。
できること:ユーザーの追加・削除(管理者以外)/ Drive・カレンダー・Geminiなど個別アプリの設定変更
仮の担当:当面は置かない(特権管理者が兼務)。人数が増えて手が回らなくなったら追加。
できること:Googleグループ(部署のメーリングリスト)の作成・メンバー変更
仮の担当:当面は置かない。部署ごとのグループを作る段階で検討。
できること:自分のメール、Drive、カレンダー、Geminiの利用。共有された資料や予定表の閲覧・編集(②の権限の範囲で)
仮の担当:上記以外の全職員
「管理者権限を渡しすぎない」目安
「その人が誤って全職員のアカウントを消せる状態か?」で判断します。特権管理者はそれができます。ヘルプデスク管理者はできません。迷ったら下のレベルから始めて、困ったら上げる方が安全です。
4. ②共有権限のものさし(Drive・カレンダー)
Google Drive(ファイル・フォルダ)
| 権限 | できること |
| 閲覧者 | 見るだけ |
| 閲覧者(コメント可) | 見る+コメント |
| 編集者 | 見る+書き換え+(設定次第で)他の人へ共有 |
共有ドライブ(部署の棚)
| 権限 | できること |
| 管理者 | メンバー管理、設定変更、すべての操作 |
| コンテンツ管理者 | ファイルの追加・編集・移動・削除 |
| 投稿者 | ファイルの追加・編集(削除はしない) |
| 閲覧者(コメント可) | 見る+コメント |
| 閲覧者 | 見るだけ |
共有ドライブの所有者は「個人」ではなく「法人」です。担当者が異動・退職してもファイルが残り、Business Standardで利用できます。
Googleカレンダー(共有カレンダー)
| 権限 | できること |
| 予定の時間枠のみを表示 | 「予定あり」の枠だけ見える(内容は見えない) |
| すべての予定の詳細を表示 | 予定名・日時・場所・説明が見える |
| 予定の変更 | 見る+予定の作成・変更・削除 |
| 変更および共有の管理権限 | 上記+他の人への共有設定 |
例:「産業医スケジュール」
- カレンダーの所有:産業保健課の代表アドレス(法人アカウント)
- 産業保健課の担当者:予定の変更
- 課の責任者1名:変更および共有の管理権限
- 他部署で日程だけ知りたい方:予定の時間枠のみ または すべての予定の詳細
Geminiからこのカレンダーを扱うための条件は、別ページ「Gemini×共有カレンダーの仕組み」にまとめています。
5. 仮の運用イメージ(誰に・どこまで)
■ すべて
■ 一部(限定された操作)
■ 利用・編集
■ 閲覧のみ
■ なし
| 役割 | 管理コンソール | 部署の共有ドライブ | 産業医スケジュール | Gemini・NotebookLM |
| 特権管理者(1名+予備1名) | すべて | 管理者 | 管理権限 | 利用 |
| ヘルプデスク担当(1名) | パスワード再設定 | コンテンツ管理者 | 予定の変更 | 利用 |
| 産業保健課 | なし | コンテンツ管理者 | 予定の変更 | 利用 |
| 事務・他部署 | なし | 自部署は投稿者/他部署は閲覧者 | 時間枠のみ/閲覧 | 利用 |
| 外部(岩本・業者など) | なし | 必要なフォルダだけ期限付きで閲覧 | なし | なし |
※ 現時点のたたき台です。「この部署にはここまで」を実際の業務に合わせて置き換えてください。
6. 全職員へ展開する前に決めておく最小ルール
- 特権管理者は2名。2段階認証を必須にする。
- 業務ファイルの保存先は共有ドライブ。個人のマイドライブに置かない(退職・異動で消えるため)。
- 外部への共有は原則オフ。リンク共有は「組織内のみ」を初期設定にし、外部共有は管理者が個別に許可する。
- 患者さんの氏名・診療情報はAIツールに入力しない。院内で扱い方を決めるまでは、匿名化した資料だけを使う。
- 困ったときの順番。①ヘルプデスク担当 → ②特権管理者 → ③岩本(研修・設定の相談)。
この5つを1枚の案内にして配り、先行6名から出た質問を「よくある質問」として足していく進め方をお勧めします。
7. 個人アカウントからの移し方(考え方)
Step 1個人アカウントで持っている業務データを棚卸し(Driveの資料、共有カレンダー)
→
Step 2受け皿を法人側に作る(部署の共有ドライブ、法人所有の共有カレンダー)
→
Step 3移す(Driveは移動またはコピー、カレンダーはエクスポート→インポート)
→
Step 4個人側の共有を止め、以後は法人アカウントだけで運用
カレンダーの具体手順は「Gemini×共有カレンダー」の移行手順をご覧ください。